結論。JKはタガメの香り


キンモクセイの開花は、桜前線とは逆に、北から南へと日本列島を降りていきます。

佐鳴湖上段の花見台公園は今が満開。

 

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一面の甘い香り。

子供のころ住んでいた家の前に大きなキンモクセイの木がありました。この香りは懐かしい情景を思い出させます。

 

桃の香りにも似ているこの特徴的な芳香成分は、γ-デカラクトン(ガンマデカラクトン)。

一部の虫を遠ざける作用があることが分かっています。

 

キンモクセイの香りが苦手、頭が痛くなるという人もいるのは、もしかして、γ-デカラクトンのせいかもしれません。


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また、γ-デカラクトンは若い女性特有の甘い体臭のもとでもあるのだそうですが、20代になると大幅に減少していきます…

 
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「トイレの芳香剤」の匂いともよく言われます。

でも、芳香剤に盛んに使われていたのは1970年代から90年代までなので、 その後の世代はトイレの香りといえばラベンダーを連想するのだそうです。


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金木犀とかくのは、幹の樹皮が動物の犀(サイ)の皮膚に似ているからとありました。 

 言われてみれば、確かにサイの肩のあたりとか!それにしても、すごい観察眼です。

 

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 …これだけ並べると画像からでもむせかえるような香りがしてきそうです。

気分転換をここで一枚。

 

 
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チャノキの清楚な花がうつむきがちに咲いていました。

ツボミが、つるっとまあるくて可愛い。。。

 

さて、お口もさっぱりしたところで、もう少し


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ウスギモクセイ(薄黄木犀)

あまり見かけない、薄い黄色の花のモクセイです。

キンモクセイに比べて開花が1~2週間早く、もう終わりかけでした。

 

日本にあるキンモクセイの木は雄ばかりなので実はなりませんが、こちらは実がなります。

『ウスギモクセイ 実』と検索するとオリーブの実に似た画像が出てきます。

https://www.google.com/search?q=%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%82%AE%E3%83%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%A4+%E5%AE%9F&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiHrJCImb_lAhUaAogKHd0rDtMQ_AUIEigB&biw=1366&bih=625#imgrc=JeBmFinyQWIqZM:

 オリーブも同じモクセイ科で親戚なのです。


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花を並べてみました。

色と同じくウスギモクセイのほうが香りが薄いのですが、もっとさっぱりしている感じがします。γ-デカラクトンが少ないのかもしれませんね。

 

最後に…

すこし脱線。驚きの情報を載せておきます。

 

タイワンタガメ という昆虫は、 中国南部ではキンモクセイの花の香りがするといわれているのだそうです

タイワンタガメ Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%AC%E3%83%A1

中国南部(華南地方) - インドシナ半島タイ王国など)では伝統的に食用にされている。特にタイでは食材として多量に消費

大人気です。タガメの香りを再現した化学調味料も市販されているのだとか。

 

そうなのか。そんな虫がいるのか。知らなかった…

”人生には知らないほうが幸せなこともある”

 

キンモクセイの香りは懐かしい情景と結びついていたのに、すっかり黒びかりしたタガメに上書きされてしまったのでした。