災い転じて
暖冬でぴんときませんが、二十四節気は冬至から小寒に変わり「寒の入り」となりました。
一年で最も寒い時期とされています。
七十二候も今日から「芹乃栄 (せりすなわちさかう)」 になりました。
セリ、パセリ、セロリなどセリ科の植物は独特の香りがするものが多いですが、この香りには個人的にちょっと思い入れがありまして。
長文ですが、お付き合いいただけたらと思います。
実はもう10年以上前のことになりますが、ひどい疲労感に何年も悩まされていた時期がありました。
少し歩くだけで息切れがして立ち止まるような状態でしたが、検査をしても特に悪いところがなく、ストレスからだろうと精神安定剤を処方されていました。
でも、何年病院に通っても一向に良くなる兆しがなく、むしろ酷くなるばかり。
しまいには起きるのも辛い状態になり、もしかして一生こんな体調のままなのかもしれないと、かなり絶望的な気持ちになっていました。
でもあるとき、「西洋薬でだめなら漢方薬も試してみよう」とふと思いつき、ネットで調べ、先生にリクエストして『当帰芍薬散』という薬を出してもらいました。
当帰(トウキ)というのはセリ科の植物で、お薬もセロリのような香りがあります。
漢方薬は長く飲み続けないと効かないと思っていたので、即効性は期待していませんでした。
でも、薬の封をきって香りを嗅いだ瞬間すぅっと気分が良くなり、服用後15分もたつころには、疲労感がどんどん無くなっていったのです。
自分でも嘘みたいと思うのですが、まさに霧が晴れるようにすっきりしていきました。そんなこともあるのですね。
漢方薬は高価なイメージでしたが、普通の病院で処方してもらえ保険もききます。
西洋薬(新薬)で効果が思わしくないときには、ぜひ試してみて欲しいです。
当帰芍薬散などは薬局で普通に買えますが、病院のほうが安くすむかもしれません。それに、漢方薬に詳しいお医者さんが増えてきたので、症状にあわせて色々なお薬を提案して下さると思います。
私の場合、飲み始めて一週間もするとすっかり元気になっていました。
漢方薬を思いつかず、あのまま、ただ出された薬だけを飲み続けていたら、まったく違う今になっていたでしょう。
トウキに命を助けてもらったといっても大げさではないと思っています。
そしてそれは、「植物の力はすごい、もっと知りたい」と学びを深めていくきっかけの一つになったようです。