第六十六候 雪下出麦
二十四節気をさらに3つに分けた七十二候。
今年は一月一日から五日までが、その第六十六候 「雪下出麦 (ゆきわたりてむぎのびる)」となります。
七十二候は気象の動きや動植物の変化を知らせる短文になっていて、雪下出麦は「降り積もる雪の下で麦が芽を出す頃」とされていますが、実際は秋に蒔かれた種は雪の降る前に芽をだし、冬を越します。
日本独特の風習で、芽吹いた芽を踏む「麦踏み」というものがあります。
小茂田青樹 「麦踏」
日本は雨が多いので成長した穂が倒れやすく、根を丈夫に張らせるためとか、霜柱による土壌の浮きを防ぐとか、麦の伸び過ぎを抑えて穂の出方を均しくするためとかで麦踏を行うそうです。
麦踏みはしなくとも麦は育ちますが、することでより多く収穫できるようになります。
理由は他にもあり、日本製粉の子供向けサイトで画像やイラスト豊富に詳しく解説されていました。
日本の麦の自給率は3%ほどなそう。
冷涼で乾燥した気候を好む麦を温暖湿潤な日本で育てるための知恵を知り、パンの味わいも、また一味違ってきそうです。