不老長寿の妙草

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川沿いの草むらでアシタバが咲こうとしていました。

重なり合う曲線のフォルムが美しく、雑多に生えている植物たちの中でもひときわ存在感を放っています。

 

 アシタバ(学名 Angelica keiskei)明日葉 セリ科シシウド属

日本原産のこの植物の学名は、明治時代の植物学者伊藤圭介へ、業績を称えてシーボルトらにより献名されたものです。

不勉強で、アシタバから伊藤先生のお名前を初めて知り調べてみました。

 

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慢性胃腸炎でお亡くなりになったとあったので、アシタバは胃腸にも効くというのになぁと思い年齢をよく見ると、え、亡くなられたのは98歳?!

江戸時代にお生まれなのに、すごい長生き。この写真の下部には”八十八歳ノ肖像”とあります。

 

浜松のお隣、名古屋のご出身でした。

17歳で町医の資格を得て開業し、18歳で京都で蘭学を学び、24歳で長崎にてシーボルトより本草学を学ぶ。その後さまざまな業績を残し、98歳で永眠なさる際は学者として初の男爵を授けられたそうです。

お若い時から長寿を全うするに至るまで、すごいパワフルな濃い人生。

そういえばアシタバは不老長寿の妙薬ともいわれるなと検索してみると

 

アシタバは「不老長寿の薬」なのか、老化防止化合物発見 研究』

新たに発表された研究では、アシタバに含まれる天然の物質が「細胞の老廃物」除去を助ける重要な作用を促していると考えられるとされた。

 https://www.afpbb.com/articles/-/3212303

と、オーストリアの大学での研究結果が今年の2月に発表されていました。

もしや伊藤先生は常食なされていたのでは…

 

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 学名の最初の部分 ”Angelica ”はシシウド属を表しますが、これの由来はラテン語で天使の意味の"Angelicus"です。

今にも咲きそうなツボミの姿は、まるで天使が祈りを捧げているように見えました。

 

まだまだ、人類を助ける色々な薬効が明日葉からは発見されていきそうですね。